不良な君に赤薔薇を


「俺の名前呼ぶの、そんなに嫌か」


顔を見ると少し悲しんでいた。声色もさっきとかなり変わったのがわかる。
少し可愛い、、。


「い、いやじゃあないよ?ないけどさぁ」


「恥ずかしいの、、、、」


小声で私は気持ちを伝えた。すると次見た時には彼の顔は小悪魔に変わっていた。


「え、もしかしてさっきのって演技、、?私の気持ちを言わせるための!?」


「引っかかるのが悪ぃんだよバァカ」


そう言ってからも、ブツブツと私に対して何かを言っている。


とてつもなく腹が立った。
私を騙したのもあるけれど、一番は口調のせいだろう。やり返してやる。


「ねぇ、龍?こっち来て、、、、」


「お?やっと俺の名前呼べたかぁお子ちゃー」


その瞬間、言葉を遮って私は口付けをした。


「だぁれがお子ちゃまだってぇ?龍、顔めちゃくちゃ赤いけど、どうしたのかなぁ」


「いや、は?お前からすると思わなくて、、」


勝った。勝者私。
その日は、時間を決めてお互い教室に戻った。
すごく授業が捗りました。


家に着くと、私はベットへとダイブした。
我に返ると、凄いことをしてしまった。


「どうしよう!!!!」


ガチャ。


「ねぇちゃん、うるさい」


あ、やってしまった。


「俺が話聞こうか?」


弟の凛。二人兄弟だが、私より優しい。
そんな弟が今日は特に私に優しかった。


「え、っと、、、私、彼氏できた、、、」


すると凛が、座っている体制を崩し乗り込むように私に近寄った。


「は!?ねぇちゃんに彼氏!?」


「、、、、無理、、、」


最後なんて言っているのかよく聞こえなくて、私はもう一度と聞き直した。でも、教えてはくれず、立ち上がって自分の部屋に帰っていった。


晩は凄く眠れなかった。
明日のことを考えると、恥ずかしさでいっぱいだった。
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