溶けない好きに、注いだ体温 (短)


「シャリ、シャリ……」


その紫色を、私はコクリと。
自分の深い所まで届くように、
静かに呑み込んだ。

それらは複雑な温度と色で私の中を通り、
優しく浸透する。

まるで、

どっちの色も大事にしていい。
無理に忘れなくていいんだよ、って。
そう言われた気がして……

無色だった心が、僅かに色づき始める。


「私の氷――やっと、溶け始めた」


カップの外側の水滴。
その雫の中に、過去の私が写っている。

雫は私の手の熱さにあてられ、
すごい勢いでカップを滑る。

そして花火が上がる音と共に、
まるで自由を手にしたように――


広大な地面へ、軽やかに落ち始めた。


【 fin 】

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