キケンな生徒指導
生徒指導室
面倒だと思いながらも、大嫌いな制服を着て、夏休みだというのに、学校に向かう。

当然ながら、いつも学校に行く時と同じように、黒髪にノーメイクで、制服も着崩したりはしない。

昨夜、自宅に着いた時、

「明日、必ず来るんだぞ」

私が黙っていたら、今度は顎クイをされ、

「もし来なかったら…どうなるかわかってるよな?賢い茉莉花チャンなら」

先生は、もはや目が笑っていなかった。

サイコパスかと思う。

生徒指導室なんて、自分には無縁だったので、場所すらわからない。

何しろ、この高校は、やたら生徒数が多く、敷地も当然広いから。

とりあえず、正面玄関まで来たところ、

「李家、ちゃんと来たな」

稲葉先生が、必要もなさそうな打ち水をしながら待ち構えていた。
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