陽生先生のキケンな恋愛指導


 早速合コンに着ていく服を買いに行く。
 仁菜ちゃんが大学終わりに付き合ってくれるというので、放課後に待ち合わせた。

 仁菜ちゃんまだかな――?


五島(ごしま)さぁ、もう彼女と別れたん?」


 急に聞こえてきた名前にドキッとした。
 声のする方を見てみれば、正にその人物が。

 五島くん。昨日まで私の彼氏だった人。


「つーか、あそこにいるの五島の元カノじゃね?」

「っ、」


 ……うっ、気づかれちゃった。

 めちゃめちゃ気まずいんですけど……。


「――もしかして、ナンパ待ち?」

「えっ……」

「なんだよ、そっちだって男漁りしてんじゃねぇか」


 ちが……っ!
 私はただ、お姉ちゃんのこと待ってるだけなのに!


「言っとくけど、今時純情な女って流行んないから。お前みたいな女、誰も付き合いたいと思わねえよ」


 え、なんで?
 なんでそこまで言われなきゃいけないの?

 私はただ、普通に恋がしたいって思ってるだけなのに……。

 悔しくて悲しくて涙が出た。
 言い返したいのに言葉が出なくて、すごく悔しい。


「……っ」


「――いやいや、お前みたいな男の方が付き合いたいと思わねえから」


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