離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

偉そうな平民ザラの告白

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ハミルトン領の長雨は本当に長かった。

朝から晩まで降り続き、ザラの先っぽのない膝をじくじく疼かせた。


(雨が続くと、薬を飲んでも痛むの……)

「よし!今日も元気にモミ葉香水増やそうー!」


モミ葉香水開発室にて、ジェニットが覇気のある声で領民女性たちに呼びかける。香水開発販売を通じて、すっかり自信をつけた領民女性たちは同じテンションで乗って来た。


「良い感じですね!ジェニット様!」

「売上も伸びてて、再購入される方もすごく多いです」


売上を管理している女性たちが次々に輝かしい結果を、目を爛々とさせて報告する。ザラの指導により、識字はもちろん、すっかり計算もできるようになった領民女性たちは実に頼もしい。


ザラは領民女性たちに自信を与え、教育を与え、働く力を与えた。


ジェニットは以前はわからなかった、人を伸ばす教育の力をひしひしと実感していた。

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