緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
「・・お前・・もしかして変態なんか?いや、ドMの奴とか」

リリカは、ひょいと飛びのいた。

「ロープとか、手錠とか鞭とか、持っているとか!!」

グゴーーーーーン

ガード上の線路から、電車の通過する大きな音が響く。

サリエルは、天井に届くほどの
大きな緋色の翼を広げた。

その瞳は、炭が紅く燃えているように見える

「もっと、君の事知りたいな。
リリカちゃん」

サリエルは口角をあげて、両手を広げて、ゆっくりと迫って来る。

それは・・
魔王のようだ。

「こわっ!!」

リリカはバックを投げ捨てた。
ポンと跳ね、茶色の猫になり、隙間を縫って逃げ出した。

アスファルトの道路には、
黒のパンプスとトートバックが残されている。

「あーあ、これ、どうするかな」

サリエルは拾い上げて、
最初は含み笑いをしていたが、最後は腹を抱えて大笑いをしていた。
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