【コンテスト参加作品】私が愛した人は、殺人犯でした。
私が愛した人は、殺人犯でした。

突然の告白




 今まで当たり前だったこの日常が壊れたのは、いつからだっただろう。
 ずっと一緒に過ごしてきた毎日が、崩れ落ちるだなんて、この時は思ってもなかったーーー。





✱ ✱ ✱


「……え?」

 今目の前にいる私の交際相手、高根沢文哉(たかねざわふみや)の一言が、私の頭の中をぐるぐるとかけ巡る。

「今……なんて言ったの?」

 なんて言われたのか、分からなかった。

「俺……殺人犯、なんだ」

 【殺人犯】というその言葉が、私の頭の中をリピートしていく。

「殺人、犯……?」

 なにを言われているだろうか、私は。こんなよく分からない言葉を言われて「はい、そうですか」と言える訳がない。

「え……待って……。なにを言ってるの?」

「……ずっと黙ってて、ごめん」

「ね、待って……。殺人犯って、なに……?」

 殺人犯って……あの、殺人犯? それって、人を殺したって……そういうこと?

「俺は……昔、人を殺したんだ」

「殺したって……誰を……?」

 殺人犯とか、殺したとか、なにを言ってるのだろうか。 本当に本当に、意味が分からない。
 私のことをからかうのも、いい加減にしてほしい。 ましてや今日は、私たちが付き合って三年の記念日だ。
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