マイシス××。
それは一瞬の出来事だった。
「…………!?」
柔らかい何かが私の唇に押し当てられた。
"ちゅッ"と軽い音を立てて唇を離されたその行為が、すぐに理解出来ない。
本当に何が起こったのか分からなくて、頭が真っ白になっていく。
目の前に立つ"シグレ"をポカンと見上げた。
「ま、頑張れよ」
そう言って、口元を緩めるシグレ"が大きな手を私の頭にポンと1度乗せる。
「またな、コハル」
"シグレ"は周りを全然気にすることもなくて、クラス中が唖然とする中 何事も無かった様に教室を出て行った。