『執愛婚』~クリーミー系ワンコな部下がアブナイ男に豹変しました


「ちょっ……待っ…て…」
「待てない」
「ぁっ……っ…」

公園を後にした私達は、夕食をとるために私の自宅へと。
冷蔵庫にある食材で簡単なものを作ろうとしてるのに、それを彼に邪魔されている。

「お腹空いてるでしょっ……、簡単なものを直ぐ作るから」
「俺の食べたいものはここにあるよ」
「っ……」

首筋に顔を埋めて舌を這わせる彼。
こういう少し強引なところも嫌じゃないんだけど、彼の場合、歴代彼氏とはエロ差が格段に違うっっっ。

「え、何この下着っ、初めて見るんだけど」
「っ……」
「もしかして、俺のために買ったの?」
「八神くんのためじゃなくて、自分へのご褒美よっ」
「へぇ~」

ブラウスのボタンが外され、露わになった胸元を確認した彼が満足そうに舌なめずりする。

「“八神”じゃなくて、“悠真”ね」
「っ……」
「だって、“蓮水くん”って言われても、そのうち璃子さんも“蓮水”になるんだよ?」
「っっっ」
「それと、くん付けは止めてね。璃子さんからくん付けされるとガキだって言われてるみたいで萎えるから」
「っっ~~っ」

先手を打たれた。
先にそんなこと言われたら、“悠真くん”って言えなくなるじゃない。

もう本当になんて手強い相手なんだろう。

「本当に私でいいの?」
「しつこいよ、何度目だよ」
「だって…」
「“だって”なし!」
「でも…」
「“でも”もなし!」
「うっ……」
「何も考えずに、俺の胸に飛び込んでよ。どんな璃子さんでも受け止めるから」
「っ……ん」

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