運命の恋に秘された真実

実際は純くんと一緒だったわけで、架空の話で何故口論しなければいけないのかという気分にもなった。

「そうは言っても、純くんの奥さんになるなら、もうそんな勝手はできなくなるのよ？」

その言葉に、私はついに本気で怒ってしまった。

「ねえ。ママは、私が夫のために何もかも犠牲にして生きることを望んでるの？ママの人生を否定する訳じゃないけど、私は現代の女なの。純くんとは、結婚しても常に対等である約束ならとっくにしてるし、どんなに好きな相手だって、単なる飯炊き女かつ専属娼婦なんかになるつもりはないから」

「純ちゃん！なんて下品なこと言うの！」

母は、頬を紅潮させて言う。

私は大きくため息をつき、

「ママはあまりにも時代遅れすぎて、正直ついていけない。昨夜のことにしても、純くんと一晩中一緒だったとしたら、それもまた気に入らないんでしょう？ママこそ、いきなり離婚したいなんて言い出したのは、籠の中の鳥みたいな人生にピリオド打ちたいからなんじゃない？」