運命の恋に秘された真実
翌朝になると、何となく二人して照れてしまったが、以前より更に絆が深まった気がする。

今度こそ、もう親に嘘はつかなかった。

出かけるときこそ黙っていたが、横浜のホテルから、

「今夜、純くんと一緒だから」

母には一言だけ言うと、反応を待たずに電話を切った。

どのみち冷戦状態なのだから…とは思うが、やはり帰宅するのはなかなか気が重かった。

実際、帰宅すると、母は私を直視しようとしないあたり、娘は穢れてしまったとでも思っているのだろう。

血縁がないのに大事に育ててもらったことより、養女であることを隠してこられたことへの憤りのほうを強く感じてしまうなんて、私は薄情者だろうか。

以前のような仲良し母娘には、もう戻れそうもない気がしてしまう…。
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