胡蝶ミラへのエクスプレス
第三章 『その後に、気づけば見ていた』
~森高 心~
十一月の中旬に、十九歳の誕生日を迎えた。
まだお酒は飲めないが、大学に通い始めて一気に大人に近づいたような気になって、学生生活を送っている。
週の半ば、二限目開始は十時半からで朝起床するのが楽なものだ。
起きてすぐにおめでとうって言ってくれる両親に、高校生の弟アサトからも、学校に行った後にお祝いのスタンプが届いていた。
たまに口げんかはするが基本あっさり明るい性格で、多分毎日友達に囲まれてるんじゃないかな。
でも、年齢は上がったはずなのに、レベルアップしました! 的なハッキリ目に見えるものは特にない。