胡蝶ミラへのエクスプレス





「おはよー拓磨、ねぇ土曜日どうだった?」

 きっと早足で歩いていたはずなのに、ちょろっと隣に並んできたリンは笑顔で俺の顔を覗き込んできた。

 挨拶と共に尋ねられ、リンは歩きながらニコニコこちらを伺っている。

「あー結局今回は、違うお店に行ったんよ」

「え、とんかつ食べなかったの?」

「うん、鍋食べた」

「あれ、予約してるって言ってなかったっけ」

 ──そうだ、あの時予約してるって言い方してたな。




< 493 / 728 >

この作品をシェア

pagetop