婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

「あぁ、間違いない。リストに載っている人物たちは、これまで我々が追っていた盗品情報と照らし合わせても合致する箇所が多い。まぁ、まだ完全にとは言えないから、追加調査が必要だけどな」

「じゃあ、アンドレイ王子は――」

「王子殿下はクロと言ってもいいな」と、レイはすかさず否定した。

 刹那、絶望感がわたしの全身に伸し掛かる。それはあまりに重たくて、そのまま潰れてしまいそうだった。


「……過去の購入リストだ」彼は今度は別の書類を持ってくる。「これがアンドレイ王子の分」

「………………」

 またしても頭がぐらりと揺れた。思いっきり殴られたみたいに、ガンガンとこめかみを突く。

 そこにはアンドレイ様が購入した商品のリストがずらりと並べられていた。どれも、これも、彼の書斎や宝物庫で見たことのあるものばかりだ。
 あの綺麗な絵画も、東方の珍しい茶器も……すべてが違法で手に入れたものだったのね。


「えっ……!」

 クラクラする頭でリストを追っていると、気になる品が目についた。


 ピンクダイヤモンドの蝶々のブローチ……?

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