婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜
「そっ、それは……王太子殿下にまんまとやられましたね。参ったな……」
「鉱山に入る頃にはこちらの手の内が知られていた可能性があります。わたしが間諜目的でやって来たことも? 王太子殿下はどこまで把握しているのでしょうか?」
嫌な汗が出た。これは不味い。
仮に諜報の勉強のために来たということが露見されたら、両国間に緊張が走ることだろう。
隣国の国家機密を未来の王妃が探りに来たのだ。それはローラントとしては宣戦布告だと捉えられてもおかしくはない。
そして……最悪なことに、わたしがアンドレイ様から「王太子を籠絡せよ」と、特命を授かっていることが知られたら………………、
グラリと景色が揺れた。