婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

「それは……どうやって?」

 わたしは息を呑んだ。緊張感が首筋にびりりと伝わる。
 大きな功績なんて思い浮かばない。わたしなんかに、そんなことができるのかしら。

 少しの沈黙のあと、アンドレイ様が口火を切った。

「オディール、お前はこれから隣国へ行くんだ。そして、王太子のレイモンド・ローラントを籠絡しろ」

「えぇぇぇええっ!!」

 わたしは驚きのあまり思わず大音声で叫ぶ。一瞬、アンドレイ様がなにをおっしゃっているのか理解できなかった。
 隣国って、隣の国なのよね? レイモンド王太子殿下って隣の国の王子様なのよね?
 それに……籠絡!?
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