婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜


 ダイヤモンド鉱山に来てから約半月。
 始めはあまりの疲労で夜は倒れるようにベッドに潜り込んでいたけど、だんだんと仕事にも慣れて余裕ができた。なので鉱山の地図を作成すべく、一昨日から真夜中に探索をしている。

 本当は管理人の部屋から既に完成された地図を拝借できれば良かったんだけど、あいにく固く鍵が掛かって厳重に警護されたその部屋には、近付くことさえできなかった。

 仕方ないから、わたしは自身の脚で地図を作ろうと決意したのだ。
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