溶けた恋

16

梓馬の仲間内では、「梓馬がハマってるJKが居る」と若干注目の的になっていた。

「梓馬ついに、トー横キッズに手を出したのか。可愛いん?やっぱりパパ活とかやってるだけあってやり手なもんなの?」
「店に呼んてパパ活代で相当使わせたんじゃね?JKから搾取はいかんよ」
「市販薬でOD(オーバードーズ)しながらヤルのどうよ?」
「お肌スベスベ〜?」

皆、エイトビートのトー横取材の動画で得た知識をもとに、梓馬に言いたい放題だった。

「そんなんじゃなかとよ。よー分からんけん。そもそも、まだやっとらんわ!」

一瞬、空気が止まった。

皆、一斉に「えーーーーー!」と驚きの声をあげる。

「そんな事、あるんだな、まぁ、、簡単にやらない方が達成感あるかもね(ニヤリ」
「梓馬君、ガチ恋かぁ…いいねぇ。やったら教えてね♡逆に気になるわ。」

ぜっっったいに教えん…
仲間内で当たり前のようにイジられ、今までの自分の恋愛観に疑問を抱く。

オレは…、今までこいつらのように女の子を獲物としか見ず、やる事しか考えてなかった下等生物や…。

オレは、変わる…!



「海やーーーー!」


突然叫ぶ梓馬に、一瞬皆の動きが止まる。

「海でヤルと女が地面が痛いとか言って集中できんけん、辞めた方がいいとよ?」

エイトビートの天然担当櫻井が真剣にアドバイスをする。

「櫻井オマエ、さっき梓馬がガチ恋とか言ってたやん!そーゆうんじゃなかとよね?」

他の仲間が櫻井に突っ込みを入れ、梓馬に問いかけるも

「確かに…、、海岸でヤルのは辞めとくわ!」

梓馬は櫻井のアドバイスに素直に耳を貸した。
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