再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


ヘッドボードに置いてある時計は午前三時を指している。

私は早めに寝たけれど、昨夜も遅く帰宅した英介さんがベッドに入ったのは日付が変わってから。

ちょうど深い眠りに落ちていた頃だと思うのに、隣でうなされている私に気付いて目を覚ましてしまったのだろう。

まだ眠いはずなのに私の気持ちが落ち着くまで腕枕をしながら髪を撫でてくれている。


「お母さんに会ってみる?」


英介さんの問い掛けに私は小さく首を横に振った。


「会わない」

「俺もその場に一緒に行くって言っても?」

「会いたくない」

「そっか」


英介さんは優しく頷いてくれたけど、こんな私にきっと呆れているんだろうな。

実の母親が会いたいと言っているのだから会えばいいのに。もしかしたらそう思われているかもしれない。

でも、会いたくないものは会いたくない。

私のことを置いていったのに、自分が会いたくなったから再び私の前に現れようとしているなんてだいぶ身勝手だ。


「英介さんは私を置いていかないでね」


あんな夢を見たあとだからだろう。彼が母のような非情なことをするような人じゃないとわかっていても、不安からついそんなことを言ってしまった。


「俺はどこにもいかないよ。千晶のそばにいる」


英介さんの唇が私のつむじのあたりに優しく触れる。彼の胸の中でそっと顔を持ち上げると唇が重なった。


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