Twinkleな彼は、【完】

「もしかして、なんか照れてる?!」



「ちげぇよ」


って恥ずかしそうに言ってくる。


何その子供みたい顔!


絶対そうだ!素直じゃないんだから。



「何ー!可愛いっ!」



おちょくろうと近づいて、樹の顔を覗き込む。



その瞬間、




「だから……近づくなって、」



不機嫌な声、揺らぐ視界、



「…っ、樹?」



気づいた頃には、床に押し倒されていて目の前には理性を失ったような樹の表情。



「俺が男だって分かってる?」


甘く溶けてしまうような、声が耳に届く。


「わ、分かってるよ?」



「分かってねぇだろ。揶揄うのもいい加減にしろ。」


余裕のない澄んだ綺麗な瞳に、どきどきする。


どういう意味?



「ど、どうして怒ってるの?」



「…は?」



唖然とした様子で私のことを見つめる。



「怒ってるんじゃないの?」


だから、こうやって押し倒したんでしょ?威嚇?的な意味で。



「なんでそーなんの…ほんとはなには敵わねえな」


自分の髪の毛をくしゃっと乱して、諦めたように笑う樹。



なんかよく分からなかったけど、樹が笑ってくれるなら、機嫌治ったならそれでいいや。



「えへへ、」



釣られて笑うと、褒めてねえーよ、って微笑んだ樹。
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