Twinkleな彼は、【完】
私は一般人で、樹と蘭さんは常に注目の的で輝かしい世界の人
そんなこと今まで気にもならなかった、樹は樹だって思ってたもん。
自慢の幼馴染だと思ってた。
でも美しい人同士で笑い合っているその空間に、黒い感情が渦巻いて、見ていられないって初めて感じた
ああ、やっぱり樹も蘭さんのことが好きなのかな
気がつけば二人から目を逸らして、来た道を引き返していた。
「え?はなちゃん!?」
隣にいた私が突然いなくなるから、驚いて大きな声で私のことを呼ぶ芽吹先輩の声
その大きな声は樹にも届いてしまったのか、一瞬交わった視線
「っ」
驚いたその表情を捉えて、私からすぐ目を逸らした
バレたって思う焦りと比例して、歩くスピードが上がる
「はなちゃん、待って!突然どうした?」
その声と同時に手首にかかる負荷
もちろん追いかけてきてくれるのは、樹ではなく芽吹先輩
分かってるのに少し落ち込んでしまう私はバカだ