Twinkleな彼は、【完】

販売するのはホットドッグだから、多少なりとも調理が入るわけで、料理が得意ではない私は自動的にレジ担当になった


緑ちゃん、麦ちゃん、芽吹先輩は調理係



「よし!頑張るぞー!」


麦ちゃんの気合い十分な声で始まった学園祭


そんな時、大学の奥の方からさらに大きな騒ぎ声が聞こえてきた



「きゃーーーー!!」


悲鳴にも近い女の子たちの高い声



「ちょっと、やばいよ!」

「え、山川樹じゃない!?」

「きゃーー!なんで!」


雑踏の中、一瞬見えた紛れもない樹の姿に息が止まる



「え、」


思わず漏れる声



どうして、学園祭なんて今まで来たことなかったのに。


ライダースのジャケットに、白いTシャツ、スキニー、サングラスに、私があげたピアス


ザ、芸能人オーラを解き放って登場した樹に、キャンパス中に悲鳴があがる


すると樹は、


「すみません、コスプレしてホットドッグ売ってるとこってどこですか?」


樹のことを見て、わなわなと震えている女の子に声をかける。
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