或る夜の出来事
「お願い!明日の夜、合コンに来てほしいの」

明日から、大学生になって初めての夏休み。

入学式の時に出来た友達が、手を合わせて頼んでくる。

「え?私、彼氏いるけど…」

「それは嫌というほど知ってる!だから尚更、成美に頼みたいんだ。彼氏持ちならライバルにならないでしょ?勿論、お金は要らない。人数合わせしなきゃいけなくて…一生のお願い!」

参った。

彼氏が居ても居なくても、やはり友達は大事にしたいけれど、内容が内容だ…。

確かに、女子大だと、学校内で彼氏は出来ないから、彼氏が欲しければ、何かしらアクションを起こすしかないのも、よくわかる。

青春と恋愛はイコールではないと思うが、もしかすると、私にはもう長年付き合っている彼氏が居るからこそ、そう思えるのかもしれない。

「わかった…彼氏に相談してみる」

「黙って参加ってわけにはいかない?」

「だーめ!だから、必ずしもOK出来るとは限らないから、あんまり期待しないでね?」

「ありがとう!どうにか説得してみて!」
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