人生模様

危機

達也と相変わらずの関係のまま、1年がたっていた。

もう高2になり、新しいクラスになった。友達は作ろうとしなかった。いらなかった…


成績は、がた落ち。何度か親が学校呼び出される様になってた…


親からは「全て達也のせい」と言われ、別れる様にせまられた。


どうでもよかった。この世界から達也と二人で逃げたかった…


そんなある日、夜遅くに 携帯が鳴った。達也だ!


「寝てたよね?あのさ…」

「何かあった?ってゆうかシンナーしてるでしょ?」

「は?してねーよ!」少しきれぎみの達也。


「どうしたの?」


「俺さ…名古屋行くわ」


「え?なんで?」頭が混乱した。


「家に電話あって。母親から…。住んでた所が災害にあって、不安で仕方ない!会いたい!って泣かれて!ほっとけね〜」


達也の母親は、達也が2歳の時に家を出て行ったきりである。達也の父の暴力が原因らしい…


「でも…なんで今更?不安なのは分かるけど!勝手だよ!それに何で、達也が行くの?行っても何にもできないよ」


「ほっとけね〜んだよ」


電話が切れた…。達也も、かなり、いらだってた…


この時の私は人の事など考える余裕なんてなかった。

電話を持ったまま、何時間呆然としただろう…
地獄の、どん底に突き落とされた気分だった…
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