その恋、まぜるなキケン

決着

窓から柔らかい陽の光が差し込む朝。


真紘は化粧台の前に座って白無垢姿の自分を見つめながら、旭から言われたことを心の中で復唱していた。


今日、この杉本家の屋敷では真紘と晃の結婚の儀式が執り行われる。


関係者が集まったところで、事件に関わった者全員を一網打尽にするのが警察と、そして旭の作戦だ。


しかし昨日の段階でまだ証拠は見つかっていないという。


——大丈夫。旭も綾人も、きっと証拠を見つけてきてくれる


すると、コンコンと部屋のドアをノックする音がした。


「真紘さん、開けますよ」


真紘を呼びにやって来たのは亮太だった。


亮太は立ち上がった真紘を見て、複雑そうに笑った。


「……不謹慎かもしんないスけど、すごく似合ってます。早く兄貴と結婚式できるように、今日全部終わらせますからね」


真紘は力強く頷き、亮太と共に部屋を出た。
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