その恋、まぜるなキケン
「最後綾人と何話してたの?」


「んー男同士の秘密」


「何それ〜!いつの間にそんな仲良くなったんだ」


「別にそんなんじゃないよ」


病院を出た後、旭が突然海岸線に夕陽を見に行きたいと言い出し、真紘と旭は車で海にやって来た。


ちょうど夕陽が水平線をオレンジに染めているベストなタイミングだった。


防波堤に腰を下ろし、時折会話をしながらぼーっと景色を眺めていると、砂浜を小さい男の子が母親と手を繋ぎながら一生懸命に足を動かして歩いていた。


平和で微笑ましいその光景を真紘は微笑ましく見守る。


「あの子、可愛いね」


「俺も思ってた。超可愛い」


「昔さ、子供何人欲しいとかよく話したよね?」


「もちろん覚えてるよ」


まだ2人が高校生の頃。


子供は何人くらいで、どんな家に住んで——と、よく夢を語り合っていた。


一度は諦めた夢。


それが今、こうして再び巡り会えたことにより、叶えていくことができるようになったのだ。


「真紘、ちょっと目瞑ってて。いいって言うまで目開けるの禁止な!」


「え〜?変なことしないでよ?」


真紘が目を閉じたことを確認して、旭はポケットから小さな箱を取り出し、中のリングを真紘の左手の薬指にはめる。


「目開けていいよ」


真紘がゆっくりと目を開けると、左手の薬指には真ん中のダイヤがきらりと輝くリングがはめられていた。


「これって……」


旭は大きく目を見開いて驚いている真紘の両手を握った。


「俺と家族になってほしい。これから先もずっと、真紘のそばにいさせてほしい……俺と結婚してください」


決して涙を堪えていたわけではないのに、気づいたら真紘の頬を涙が溢れた。


「泣くほど嫌ってことじゃないよな……?」


旭は少し不安そうな顔で真紘の涙を拭う。


真紘は首を大きく縦に振った。


「違う、違うの!嬉しいのに、涙が止まんなくて……」


「ハハッ。良かった……」


まるで祝福するように夕陽が2人を包み込む。


涙を擦る真紘の顔を包み込み、旭はそっと彼女に口づけた——。




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