【コンテスト作品】私の恋人の裏の顔は、最低な詐欺師でした。
恋人が隠している秘密。

恋人の浮気?

✱ ✱ ✱



「ねえ、拓斗」

「ん?」

 私の隣で上半身裸のまま横になる拓斗に、私は「今度の休み、どこ行こっか?」と問いかける。

「ああ……そのことなんだけどさ」
 
 申し訳なさそうな顔をする拓斗に、私は「え、なに?」と顔を見る。

「実はその日、ちょっと用事が出来ちゃったんだよね」

「え? 用事……?」
 
 用事ってなに? 一緒に出かけようって約束してたのに?

「大事な用事なんだよ。……どうしても、外せなくて」

 そんな拓斗に、私は「大事な用事なら、尚更もっと早く言ってくれれば良かったじゃない。なんで今になって言うのよ」と詰めた言い方をしてしまった。

「ごめん、昨日急遽決まったことなんだ」

「はあ?」

 急遽って……。それは私との予定よりも、大事なことだってこと?

「本当にごめん。……また今度、埋め合わせするから」

「前もそれ言ってたよね? まだ埋め合わせ、その時のしてもらってないけど?」

 拓斗はため息をつくと「だから、ごめんって言ってるだろ? 俺にだって人付き合いってものがあるんだよ」と私に向かって話した。

「それって、私との予定より大事なことなの?」

 そう聞くと、拓斗は「そうじゃないけけど……」と答えを濁す。
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