ー野に咲く花の冒険譚ー
一先ず心配はないと,タルトに頷く。
タルトには花について真っ先に重要なことから,40%くらいは話してあった。
タルトは困ったように微笑して,僕の手を引く。
「ほら,行くぞ」
タルトは全てを吹き飛ばし忘れさせるように,容赦なく駆け出した。
「皆! 休憩だ! この先に村がひとつある,はぐれる程もないから,好きにしてくれ! ただし酒の量に気を付けること,食べ物は買わないこと! 隊長命令だ!」
信じられないスピードで僕の手を引きながらも,タルトは行きも乱さず大きな声で叫ぶ。
隊員は驚き,いくらかは僕達の様子に笑っていた。
僕もいい加減,この状況がおかしくなってくる。
「どうした? ジョン。競争にでもするか?」
「ふっ,冗談にもほどがある。勘弁してくれ」
君に勝てるわけもないのだから。
このまま世界そのものを巡るように。
村までただ全てを忘れさせてくれたらいい。