再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「まさか、私のためにわざわざレースのカーテンを?」


「1人ならカーテンの奥のレースなんて何でも良かった。でも、前のはシンプルだったから、愛莉が好きそうなヒラヒラしたのに替えた」


瑞は、ちょっと照れながらニコッと笑った。


「そんな……私のために申し訳ないよ。でも、まさか、瑞がそんなこと覚えてるなんて」


「もちろん覚えてるよ。愛莉が言ってたことは何でも」


「嘘だよ。花の名前なんて全然覚えてないでしょ?」


「それは、また別」


「何、それ」


2人で笑う。


カーテンのこと……本当はすごく嬉しかった。
私でさえ忘れていたことを覚えててくれて、しかもわざわざ買い替えてくれたなんて。


絵本の中のお姫様にはもちろんなれないけど、こんな素敵なところに住めて、こんな幸せな気分に浸れて……
瑞には、心から感謝だった。
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