再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「すまない。君の想いを応援することはできないけど、俺にはそれを止める権利も無い。俺だって、愛莉を諦めろと言われても、絶対に無理だから。君の気持ちは……わかるつもりだ」


「……ありがとうございます。愛莉さんが、あなたを好きになる理由、何となくわかる気がします。先生は優しくて、本当に素敵な人ですね」


「愛莉はまだ俺を選んだわけじゃないよ。俺も、彼女の答えを待ってる」


「そうなんですか……でも、きっと……」


「ん?」


「あっ、いえ。僕も、今はまだ……先生と愛莉さんを応援することはできないです。でも、今日、先生と話せて良かったです。ありがとうございました」


そう言って頭を下げ、彼は中庭から走って出ていった。


彼のような好青年はなかなかいないだろう。
愛莉は……
本当に俺を選んでくれるだろうか?


絶対に諦めたくない気持ちの中に、ほんの少しの不安が混じるこの想いを抱えて、俺も午後からの仕事に戻った。
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