再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「奥様、許してくれたんですか……良かったですね……本当に」


奥様が許したなら、それでいいんだよね。
私がとやかくいうことじゃない。
このご夫婦が仲直りできたことが、まるで自分のことのように嬉しくて涙がこぼれる。


「すみません、あなたを泣かせるつもりはなかったんですが。本当にいろいろお世話になってありがとうございました。妻は、11本の薔薇の花言葉を知っていました。これからは、死ぬまで妻だけを大切にして、愛していきます。私が最も愛した最愛の妻なので。だから、また、妻の誕生日や記念日に薔薇の花束を買いにきます」


「はい! もちろん、お待ちしています。いつでも来て下さいね。綺麗な赤い薔薇、すぐに用意しますから。末永く、奥様とお幸せに」


「ありがとうございました。あなたには感謝しかありません」


その男性は、深く頭を下げて、笑顔で店を出ていった。
私は、帰っていくその背中を見送りながら、ご夫婦の幸せを願った。


花がつないだ夫婦の絆――
まだまだこれからが大変だと思うけど、あの男性ならきっと大丈夫。
奥様のことを真剣に愛するだろう。


私も……
いつかは大切な人と「幸せ」になりたいって、その時改めて強く思った。
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