12上の御曹司と女子高生は愛を育めない

第七章 愛に年の差など関係無いのです、きっと

以前から言われていたように光生さんは日々忙しく、合間を縫って私に会いに来てくれたがせいぜいお茶くらいの時間しか取れない。
その時間中でも仕事の電話を受ける姿を見て私は流石に我慢できなくなった。

『とりあえず三月の一段落する時期まで会いに来なくて良いです!』

『・・・・・・それは、俺に会いたくないって言う意味か』

私がキレ気味に光生さんに言えば、色々限界だったのだろう、光生さんが怒るより絶望したような顔と声を出したので流石に可哀想になった。

そうだ、こういう時だから私に会うのは気分転換になるのかも知れない。
だけれどそれなら少しでも寝て欲しいわけで。

『私だって会いたいですよ。
だけど私の卒業まで待てる我慢づよーい光生さんなら、あと二ヶ月くらい会う時間に割かずに休憩して下さい。ね?』

会いたいという言葉の後の表情の落差が面白かったが、渋々了承してくれた。
とりあえず連絡だけは欠かさないという事は条件だったが。
それは私に何かある可能性を考えてのことでもあるとわかってはいても、やはり彼に休んで欲しかった。

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