リナリアの花が散る頃に。


「ねぇ私、行ってみたい所があるんだけど、いいかな?」


「うん、したいこと全部しよう」


「ありがと」


辺りを見渡せば、ぽつりぽつりと光の粒が小綺麗にならんでいる。
この光に、人生が一つずつあるんだと思うと寂しい心から解放される気がした。


とぼとぼ歩いてしばらくすると、人通りの少ない路地にでた。
その側面には、大きな遊具がある公園があって、隠れられそうな場所も確保できた。


「こんなところに、公園なんてあるんだ。もっと早く知りたかったなぁ」


同じことを思っては口に出しの繰り返し。


「僕も早く知りたかった」


私たちは、似たもの同士なのだろうか。
どこか違うけど、どこか似てる。そういう言い方の方が正しい気がした。
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