オイスターガール

6

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あれから一週間、家に帰り自分の部屋に入りあの時のことを振り返った。
 
 ありがとうを言えなかった。
 心残りでむずむずした。
 
 私はベッドの上で枕に顔を埋めて、大きなため息をついた。
 
 今日こそ言おう、今日こそ言おうと思っていても体が思うように言うことを聞かない。
 
 どうすればいいのだろう。
 
 こんな事で悩む自分が情けない。
 
 いっそ今までのことを全部美雪ちゃんに相談してしまえば……
 
 美雪ちゃんなら分かってくれてどうすればいいかアドバイスをくれるに違いない。
 
 私は少しの期待を持って美雪ちゃんに明日の昼ごはんの時相談しようと決めた。
 
「優、晩ごはんよー!」
 
 そうこうしていると階段から母の呼ぶ声が聞こえたので階段を降りていく。
 
 今日の晩御飯を匂いで当てようとする。
 
 これは焼き魚の匂い。
 
 魚の種類は分からない。
「これなんの魚?」
「秋刀魚よー」
秋刀魚は魚の中でNo. 1と言っていいほどライクである。
「いただきます」
 手を合わせた後に中央を切って溝に黒い醤油を流し込むほくほくとした身に醤油が馴染んでいく。
 
 まずは一口。
「おいひぃ〜!」
 醤油のしょっぱさや魚の塩気に奥に感じる魚の甘み、旨みが口の中でダンスパーティーをしている。
 
 熱々の白米と味噌汁を間に挟み、私は晩御飯を堪能した。
 
 寝る前のルーティンをこなし明日こそありがとうと伝えるんだ、その為に美雪ちゃんに全部話そうと思い眠りに落ちた。
 
 その日夢を見た。
 
 自由に喋れるようになった私が一条薫と手を繋ぎ仲良く喋っている夢をみた。
 
 起床後なんでこんな夢を見たのかぼうっとしながり考えていたが、そんな余裕な時間はないので朝ごはんを食べ学校へ行く準備をした。
 
 今日は大事な日だ、食パンにはマーガリンと砂糖をつけて食べた。
 
 時間というのはあっという間でその日は何事もなく昼食の時間になった。
 
 私は美雪ちゃんのところへ向かう。
 
 今までのことをすべて相談するのだ。
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