Good day ! 2
「何を言ってるんだ?俺が恵真と一緒にいたいと思ってるんだよ?」
「でも周りの人に、私は大和さんに相応しくないって思われたら…」
「誰が何と言っても、恵真は俺にとって最高の彼女だよ。他の人なんて考えられない」
「大和さん…」

恵真がおずおずと大和の背中に両手を回す。

「ね?だからみんなに言わせて。恵真は俺のものだー!って」
「それはダメ」

は?と、大和は呆気に取られる。
今の流れで、また断られるとは思っていなかった。

「えっと、恵真?弱々しくすがりついてきたと思ったのに。なんでそんなにきっぱり、急に豹変するの?」
「だって、ダメなものはダメなんです」
「そ、そんな…」

大和は瞬きを繰り返す。

「恵真、頑固にも程があるぞ?」
「大和さんだって、いい加減諦めてください」

信じられないとばかりに、大和はまじまじと恵真の顔を見る。

(え?さっきポロポロ泣いてたよな?あれは幻か?)

大きな瞳でキリッと自分を見つめてくる恵真に、とうとう大和は吹き出して笑い始めた。

「や、大和さん?」
「あはは!降参。分かったよ。ほんとに恵真は頑固だな。可愛くて泣き虫で、か弱いのに急にかっこよくなるし。もう最高だよ!」

しばらくお腹を抱えて笑い続ける大和に、恵真はキョトンとするばかりだった。
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