異世界のプリンセスは騎士たちに溺愛されています

𝓟𝓻𝓸𝓵𝓸𝓰𝓾𝓮

 るんるんと、気取った足取りで並んだ住宅街を駆けていくのは1人の女の子だった。

 3月の上旬ごろ。冷たい風がもうすぐ「一年間」という幕が降りることを悟っていた。
「今日も、楽しみだな〜♪」
高校1年生の七海梨沙は唄うように呟いた。
(よし!あと少しで学校だ!)
梨沙の学校は〇〇駅から徒歩5分の場所にある。その学校の手前には、意外に人通りが多い横断歩道があり、そこを越えればすぐ学校だ。
「うわ〜赤だ〜、、、」
思わず口に出してしまい、急いで周りをキョロキョロした。
どうやら聞いていた人は居なかったようだ。
(よかった、、、あ!青になった!)

でも彼女はこの後、悲劇が起こることを知らなかった。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop