クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
しばらくソファでゆっくりしてると、薬が効いて、少し体が楽になってきた。
「あの、時東さん。だいぶ良くなったので、そろそろ帰ります」
「このまま泊まってもいいけど?」
「えっ?」
一瞬息が止まりそうなくらいドキッとした。
「と、泊まりですか?」
「っていうわけにもいかないか。車で送るよ」
「は、はい」
もう!時東さんの言葉に、いちいち驚いてどうすんのよ!

車で送って貰い、家の下に着いたら、もう10時前だった。
「心配だから家に入ったら、俺に電話してくれる?」
「分かりました。あっ、でも私、時東さんの携帯番号知らないです」
「じゃあ、俺の携帯から笠間さんの携帯に掛けて」
ポケットから取り出した携帯を、私に渡した。

あれっ?私の携帯番号、何番だったっけ。緊張し過ぎて、一瞬忘れるほどだった。
ようやく、番号を押して、私の携帯が着信したのを確認して、時東さんに返した。
「じゃあ、家に入って、鍵を閉めたら、電話掛けて」
「はい。時東さん、今日はありがとうございました」
「気を付けてな」
本当はもっと一緒にいたい・・・
優しく微笑む時東さんに見送られて、私は家に向かった。

ドアに鍵を閉めて、早速、時東さんに電話する。
緊張する。彼女みたいだ。
コール音が鳴って待っている時間も、ドキドキする。
電話が繋がった瞬間、息が止まりそうなくらい、鼓動が跳ねた。
「家に入りました。鍵も掛けて、大丈夫ですから」
「分かった・・・ベランダから、顔、出せるか?」
「はいっ。少し待って下さいね」
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