クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
2人は駅のカフェで、「決算お疲れ様!」と、カフェラテで乾杯した。
「実は、付き合っている人は、誰にも言えない人なんです」
「えっ?そうなの?もしかして、芸能人とか・・・はっ!もしかして、危ない人なの?」
「どうしてそんな発想になるんですか!公にしたくないだけです!」
「誰なの?」
「時東さん、なんです」
「えっ?そうなの?武郷さんと婚約してないんだ」
「実は、武郷さんが勝手に思い込んで、他の人を寄せ付けないように嘘を・・・」
「信じられない・・・」
「報告出来なくてすみませんでした・・・」
「ううん。でも、離れて寂しいね」
「はい・・・でも、週末会えますし、電話も毎日掛かって来ますから」
「それでも、毎日顔を合わせるわけじゃないからさ。何かあれば、直ぐ相談してね」
「はいっ、宜しくお願いします!」

ようやく相談出来る人が出来て、ホッとした。
「北川さんは、彼氏いないんですか?」
「私は今、狙ってる人がいるんだけど・・・」

家の近くに出来たケーキ屋さんの店長。
渋めの人なのに、とても繊細なケーキを作って、笑顔に胸を射貫かれたらしい。
「毎日、ケーキ屋さんに寄って帰ってるから、ほら、この通り」
まるで力士のように、お腹を軽く叩いていた。
「わ、私も何かあれば、ご相談に乗りますね」
お腹の事には触れず、北川さんの恋話を聞いて、時間は過ぎていった。
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