ラブ・ジェネレーション

「さっきはありがとう、よかったらこれどうぞ」

「僕たちにですか?」

「もらったヤツだから気にしなくていいよ、飛行機の時間があって私たちは乗れないからね、二人で楽しんで」

「ありがとう、おばさん」

「おーーーい、おばさんは言い過ぎでしょ」

「すみません、、お姉さんですね」

「許す! はははっ、幸せにね、どんな事があっても彼女の手を離さないであげてね」

私の言葉を真剣に受け止めて男の子は彼女の手をギュッと握りなおす、俯いて恥ずかしげな表情を見せる女の子に、また胸がキュンって締め付けられる、

「いいなぁー、青春って感じ」

「結衣! いい加減にしたらどうだ」

「へへっ、怒られちゃった、ごめんね邪魔して」

翔琉のもとに戻ると怖い顔で睨んでいた、
「純情を弄ぶな!」

「だって自分の事のようにキュンキュンするんだもん」

「俺ではしないのか?」

「翔琉は呆れるほどキスしたでしょ! 手が届きそうで届かない初めてのことに胸がときめくの!」


幸せに慣れてしまえば感じなくなる、やっぱり青春時代の感覚は貴重だ。

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