相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
あんな大胆なキスシーンを見た後なのか、妙に翔琉の口元が気になる。

「何!?」
怪訝そうに翔琉が佐越を睨む。

「お前さ」
「うん」

「恥ずかしいとか言う概念ねぇの?」

「━━━━は?」

「お前って、平気で“サトちゃん好き”とか“愛してるんだ”とか言うじゃん!
あと、キスも。
なんつうーか、里海ちゃんしか目に入ってないみたいな」

「………」

「………」

翔琉と佐越が、無言で見つめ合う。

「……………
あー、そう言うことか!
━━━━見てたんだ?さっきの僕達のこと」
翔琉が、思い付いたように言う。

「は?」

「いや、急に何の話してるんだろうって思って。
だって、突然そんなこと言うから。
ようは、さっきの僕達を見てて、その事を言ってるんだよね?」

「あ、あぁ。
たまたまな」

「恥ずかしいって思わないよ。
だって、好きなんだもん。
キスしたいもん。
僕は、想いに忠実なだけ」

「まぁ、そうだろうけど」

「サトちゃんが恥ずかしがるから、人気のないとこか二人っきりの時しかキスは出来ないけど、僕的には“なんでダメなのか”わからない。
人前でキスしちゃダメって誰が決めたの?
海外では、挨拶みたいにするのに。
“好き”って感情を、言葉以外で表現するなら、キスが一番わかりやすいと思うけど?
それに、触れ合ってたいんだ。
手を繋いだり、抱き締めたりするのももちろんだけど、とにかくサトちゃんと触れ合ってたい!
だから僕達は、毎日家でギューとチューは欠かさないんだよ」

「………」

「嫉妬してんの?佐越」

「は?」

「ほら、人前でイチャイチャしてキモいとか言う人いるでしょ?
そうゆう人達って、ひがんでんのかなって。
僕にはそう聞こえる。
だからね。
僕は何を言われても“ひがむことしかできなくて、可哀想”としか思わない。
そこまで愛せる相手に出逢えてなくて可哀想だなって。
だから佐越も、渡里さんとチューしたら?
“それくらい”好きなんでしょ?」

「しねぇよ!/////
俺は、恥ずかしい!!」

「そっか」

「つか、何の話してんだよ、俺達…(笑)」

「は?元々は、佐越が言ってきたんでしょ!」

「あー、わりぃ(笑)」


そこに、里海が現れる。
「カケくん、まだ━━━━━ん?あれ?佐越さんだ!
こんにちは!」

「あ、里海ちゃん!こんにちは」

「あれ?あれ?一人ですか?
課長は?」
キョロキョロする、里海。
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