忘れられた恋の物語
「それはダメだよ!」

「…なら一緒に行く?」


彼は何秒か考えた後、頷いた。

その後私たちはバスに乗って近くの遊園地へ出発した。バスの中でも『乗り物には乗っちゃダメだ』と何度も言い聞かせられた。

そして念願の遊園地にやって来た私は、初めて経験する楽しそうな雰囲気に目を輝かせた。


「遊園地って、こんなに楽しそうなところだったんだ。ねえ、斗亜は来たことあった?」

「うん。本当に小さい頃にね。」

「いいなあ…。私、今日が初めてなの。」


それを聞いた斗亜が驚いたように少し目を見開いた。

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