ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
その8
「宗…、おめえよう、あのガキ二人に”タマ”つめ込みやがったな」
ケイコが部屋から出ると、明石田は煙草を咥えながら皮肉っぽく建田に投げかけた
「へへ‥、まあ手出しはしてねえんっすから、ええでしょう?」
「フン…、その上、あの娘にも”持ちかえらせる”とはな…。意外だったわ(苦笑)」
「もっとズベ丸出しの子を想像していたんですが、まさか、あんなに普通っぽい娘が来るとは思いませんでしたからねえ。そんで、これなら”持たせられる”と思い立ったんですよ」
「うむ…。俺も葬儀ん時、遠巻きに見て驚いたわ。最も、もう一人は組のモンの評判とおりだぞ。目なんか、兄貴の若い頃とそっくりでケモノのそれだったわ。そっちは今日、親族側だったが、さっきの子は来賓扱いだったしな」
「そうですか…」
この時、建田の目からは一瞬、きらりと鋭い眼光が放たれた
そして、明石田もそれを見逃さなかった…
...
「…まあ、俺達からは二人ともごっちゃだが、死んだ兄貴や直接面倒に当たってきた剣崎らからしたら、色々と考えて扱ってんだろう。…相馬豹一の考えたことだ。各々に、それなりの”使い道”を想定していたと思う」
「…」
”フン…、それで今日はフツーの方を遣わして、俺にカマかけか…。剣崎め、ますます芸が細ゆくなってきてる。ヤツは油断ならねえ…”
この時、建田の脳裏に浮かんだこと…
それは腹心の小日向が本家付きの任期を終える際、剣崎の後任を黙認したことの後悔の念だった
”あの時は…、若の存在があったからな。小日向の後任なんぞ誰もなり手がなかったことで、安易に剣崎を承認しちまった…。今から思えばうかつだったな…。クソッ…!”
当時、相馬豹一が後継を公言していたデキの悪い息子定男の素行の悪さを懸念し、その監督責任を負う本家付きの役職には、皆が敬遠していた事情があった。
その為、本来の序列からいえば異例ながら、矢島の右腕であった剣崎が任期を満了した小日向の後任に推された経緯があった
”矢島め…!剣崎を投じたのはオヤジ死後の備えを積む狙いだったのか…?”
...
「…とにかく、これから戻る。今日の件は俺から剣崎に伝えよう。お前が矢島への申し開きを承諾したとな。宗…、それで、いいんだな?」
「ええ…。叔父貴が目にしたまんまです。こっちの言い分、交換条件はサンピン二人とあの娘に託した…。それだけですわ」
「よし…。お前が矢島と話す場には俺も立ち合うぞ。これからのコトもあるからよう。まあ、今回のことは、俺から助川のじいさんにうまく話しておく。あの人なら、関西はお前のボイコットもブラックジョークに持って行ってくれるさ。あの常識外れな相和会のことだ、さもありなんってとこでな。はは…」
「何分、よしなにお願いします…」
この時の建田は、キリッとした表情に豹変していた
そしてその後間もなく、明石田は建田の元を去った…
...
それから約2時間して…
「おお、誠一か…」
建田の弟分、北原誠一からの電話連絡だった
「ああ、兄貴。伊豆の叔父貴、今帰ったわ。…”次第は得た”と、アンタに伝えるように言われたぜ」
「そうか…」
「それで、兄貴…。今日の件は不問ってことになった。それでいいんだな?」
「いや、それは俺が矢島に会って申し開きしてからだ。だがよう、心配ねえよ。もう今日の件で、向こう側とのペイはすんだ。いや、済ませた。…それは叔父貴も同じ認識さ。…いいか誠一、矢島との話は儀式だ。でよう、それで事実上次へのよーいドンだ。そのつもりでいてくれ」
「わかった…。だが、叔父貴はこっちに付いてくれるってことだよな?」
「あのな、あの人の立場でそれが言える訳ねえだろ。叔父貴はあくまで相和会の今後を最優先で考え、判断ってことだ。今日もはっきりそう言われたしな」
「じゃあ、どうなんだ、実際のところは!」
北原はさすがに苛立ちを隠せず、やや声を荒げていた…
「宗…、おめえよう、あのガキ二人に”タマ”つめ込みやがったな」
ケイコが部屋から出ると、明石田は煙草を咥えながら皮肉っぽく建田に投げかけた
「へへ‥、まあ手出しはしてねえんっすから、ええでしょう?」
「フン…、その上、あの娘にも”持ちかえらせる”とはな…。意外だったわ(苦笑)」
「もっとズベ丸出しの子を想像していたんですが、まさか、あんなに普通っぽい娘が来るとは思いませんでしたからねえ。そんで、これなら”持たせられる”と思い立ったんですよ」
「うむ…。俺も葬儀ん時、遠巻きに見て驚いたわ。最も、もう一人は組のモンの評判とおりだぞ。目なんか、兄貴の若い頃とそっくりでケモノのそれだったわ。そっちは今日、親族側だったが、さっきの子は来賓扱いだったしな」
「そうですか…」
この時、建田の目からは一瞬、きらりと鋭い眼光が放たれた
そして、明石田もそれを見逃さなかった…
...
「…まあ、俺達からは二人ともごっちゃだが、死んだ兄貴や直接面倒に当たってきた剣崎らからしたら、色々と考えて扱ってんだろう。…相馬豹一の考えたことだ。各々に、それなりの”使い道”を想定していたと思う」
「…」
”フン…、それで今日はフツーの方を遣わして、俺にカマかけか…。剣崎め、ますます芸が細ゆくなってきてる。ヤツは油断ならねえ…”
この時、建田の脳裏に浮かんだこと…
それは腹心の小日向が本家付きの任期を終える際、剣崎の後任を黙認したことの後悔の念だった
”あの時は…、若の存在があったからな。小日向の後任なんぞ誰もなり手がなかったことで、安易に剣崎を承認しちまった…。今から思えばうかつだったな…。クソッ…!”
当時、相馬豹一が後継を公言していたデキの悪い息子定男の素行の悪さを懸念し、その監督責任を負う本家付きの役職には、皆が敬遠していた事情があった。
その為、本来の序列からいえば異例ながら、矢島の右腕であった剣崎が任期を満了した小日向の後任に推された経緯があった
”矢島め…!剣崎を投じたのはオヤジ死後の備えを積む狙いだったのか…?”
...
「…とにかく、これから戻る。今日の件は俺から剣崎に伝えよう。お前が矢島への申し開きを承諾したとな。宗…、それで、いいんだな?」
「ええ…。叔父貴が目にしたまんまです。こっちの言い分、交換条件はサンピン二人とあの娘に託した…。それだけですわ」
「よし…。お前が矢島と話す場には俺も立ち合うぞ。これからのコトもあるからよう。まあ、今回のことは、俺から助川のじいさんにうまく話しておく。あの人なら、関西はお前のボイコットもブラックジョークに持って行ってくれるさ。あの常識外れな相和会のことだ、さもありなんってとこでな。はは…」
「何分、よしなにお願いします…」
この時の建田は、キリッとした表情に豹変していた
そしてその後間もなく、明石田は建田の元を去った…
...
それから約2時間して…
「おお、誠一か…」
建田の弟分、北原誠一からの電話連絡だった
「ああ、兄貴。伊豆の叔父貴、今帰ったわ。…”次第は得た”と、アンタに伝えるように言われたぜ」
「そうか…」
「それで、兄貴…。今日の件は不問ってことになった。それでいいんだな?」
「いや、それは俺が矢島に会って申し開きしてからだ。だがよう、心配ねえよ。もう今日の件で、向こう側とのペイはすんだ。いや、済ませた。…それは叔父貴も同じ認識さ。…いいか誠一、矢島との話は儀式だ。でよう、それで事実上次へのよーいドンだ。そのつもりでいてくれ」
「わかった…。だが、叔父貴はこっちに付いてくれるってことだよな?」
「あのな、あの人の立場でそれが言える訳ねえだろ。叔父貴はあくまで相和会の今後を最優先で考え、判断ってことだ。今日もはっきりそう言われたしな」
「じゃあ、どうなんだ、実際のところは!」
北原はさすがに苛立ちを隠せず、やや声を荒げていた…