ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
それぞれの思惑/その1
建田(たてだ)


やっとゴールにたどり着いた

長い道のりだったが

ここの地上げは完了した。ついに

しかし、ここをライブハウスに仕立てたのは正解だったな

騒音で地権者を立ち退かせるのかせる目的だったんだが

なぜか、この「マッドハウス」は繁盛した

ロック好きのガキどもがワンさと集まってきてな

世間じゃバンドブームってことらしいが

その内、プロも出入りしてロックの聖地とかなんとか言われて

雑誌にも載ったりしてな

全く驚きだったぜ


...



まあ、こっちにはかえって都合よかった

最後の一人が長期戦だったからな

なにしろ、あの”いかず後家"だ…

まるで、地べたに足がくっついてんじゃねぇかと思ったもんだ

さすがに、この俺もお手上げ状態だったわ

手荒い真似は避けたかったしな

それがアキラ、お前がおとすなんてな、あのオバンを

想像もできなかったわ

ははは…、これこそ棚から牡丹餅ってもんだ

ただ、気まぐれってノリでお前を行かせだけなのに

そしたら、いきなり家入れてもらっちゃって、お前

どういう訳だか

そりゃ、たまげたぜ

あん時、おまえ、いきなり脱がされちゃったってな

その理由聞いて、俺たち笑い転げてたもんだ

傑作だったわ。思い出すよ、ホント






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