ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
麻衣の回想~セルフ・リバック/その1
麻衣


私はまだ鏡を見続けていた…

相馬会長とは、その後じっくり話をしたのは、一度か二度だ

それでも、言葉一言を往復させるだけで、二人はその都度、深く”理解”していった

そう思うよ、私的には…

最初にあの部屋で正座させられてて、見つめ合ってたあの感触、これは今でも鮮明だ

目、見合ってりゃ何か通じちゃうってことなんだろう

だから、あの人、死んじゃったけど、別に大丈夫

私、ちょっと普通と違うのはわかってるし、はっきりいって変だしな

...


それで、もう一人”いる”訳だ

それは、おけい

だが、お前に対しては愛してるとかじゃなくて、惚れてるって感じだ

なにしろお前とは、火の玉川原の日、もういっちゃってたよ

そのあと、あの夜のことも自然だったわな

私は年とか性別、そんなもん関係ないし、ただ感情の欲するままだ

で、要はあのアキラとかってのに、嫉妬心を感じたということだ

正直なところ

この前、アイツが部屋に来た時、お前、明らかに恋してる目だったしな

私も一応女だから、それ、わかるんだよ

という訳で、お前が好きになったヤローを試させてもらおうということになった

どんなもんか、じっくりと

もっとも、最初はただのヤサ男と思ってたさ

ところが、マッドハウスでいろいろ裏取ってみると、意外にもだったよ

ヤツ、結構地べた這いずり回って、それで、今あるみたいだな

てっきり、ギター持ってチャラチャラしてるだけの薄っぺらと決めつけてた

お前がそんなヤワに骨抜きされたと想像したら、殺してやりたいって思ってな…

では、私が惚れたお前を”その気”にさせたアキラ、味わせてもらうよ、予定通り…





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