幽霊と執事

プロローグ

 「警察はあてにならないんです。どうか、犯人を捕まえてください、!」
そういって頭を下げてくる。力になりたくないわけではない。ただ、俺一人では力になれないのだ。頭を下げている夫婦との間に重い沈黙が流れる。俺は口を開いた。
「すみません。お力になりたいんですけれど.......。」



断ったあと、夫婦は泣きながら失った娘について話してくれた。有力な情報を手に入れるためにと羽衣が指示したやり方である。

「叶〜!やっほ!いい感じの情報ゲットできた?」
「なんで俺?羽衣がやった方がうまくいきそうじゃん。」
「私がやると生意気!とか言われちゃうんだも〜ん。」

あくまでもこの生き物は嘘と演技で人格を作っている。
演技の"天才"なのだ。
こんなに完璧な演技ができるのも羽衣の才能である。
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