無気力生徒会長にはヒミツがある。



気づけば会長の手の届くところにいて。




「.........さとちゃん、バレてる、」



その言葉と共に、
上半身を起こした会長に掴まれた腕。



「............ぅ、かい、ちょ、」



会長と関わるたび、いつも思う。



──────地獄耳だと。



でも、今はそんなことより...............



「な、ぅ、ぁ、あの、謝り、たくて、」



夏休み明けからのことを、
ちゃんとする方が先だと思った。



それなのに........................



「.........んー、僕が、わるいからね、」



落ち着いたトーンで、
眉を少し下げながら言う会長。


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