吸血鬼の幼なじみは私だけに甘い。


いつも斗帷くんから見えてる、八重歯が、
チクッと肌に触れて、深く入り込んでくる感じ。



〝痛い〟って、思ったのは最初だけで。



斗帷くんに、
身体中の血液を吸われてる感覚で。



頭がぼーっとして、ふわふわしてきて。



気づけば、
斗帷くんに支えられながら吸血されてる私。



よっぽど、体調が悪かったのか。



よっぽど、血が足りてなかったのか。



何が理由か?なんて私には分からないけど。



斗帷くんは、ずいぶん長く吸血していて。



私の身体の中の血液が、
ぜんぶ無くなっちゃうんじゃないか?



そう思ったところで.....................



瞼が重くなってきて、
──────私の意識はプツリと途絶えた。



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