卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
「仕事をしている京子は、しっかりしてそうだけど、裁判前は緊張して手が震えてるし、裁判が上手くいかなかった時は、人が居ない所で泣いている姿も何度も見た」
西沢さんは、耀に顔を向けて、
「京子を支えられるのは僕しかいないと思っている。それに、僕を支えられるのは、京子しかいないとも思っている」
西沢さんの言葉に、私は胸が熱くなった。
愛されるって、こんなに深い想いなんだ。
「まだ、京子は起きないだろうから、耀くん、少し時間いいかな?」
「はい」
「さっき、耀くんに話したいっていうのは、今後の仕事についてなんだ」
「はい、どんなことでしょう」
「私の事務所が耀くんの力を借りたい時、そして、耀くんが、私の事務所の力を借りたい時、今は協力して仕事をしているね」
「はい、お世話になって感謝してます。うちの顧客も兄さんの事務所と連携していることを聞くと、安心してくれるので」
「それは私も同じさ。経営に困っている人達がいれば、助けて貰える。実は、隣の税理士事務所が移転することになってね。そこに耀くん達が来てくれると、直ぐに事務所に来て貰えて、依頼人も改めて訪問しなくていいし、もっと密に連携を取り合えると思う。より一層、いいサービスが出来ると思ってるんだ。どうだろう、移転する話、考えてみないか」
「その話、是非、実現させたいです!」
その時の耀は、高校の頃にバスケ部で勝つために練習してた頃のように、活き活きとしていた。
それからしばらく、西沢さんと耀が話をし、事務所移転を進めていくことに決まった。
「良かった。じゃあ、管理会社に話をしておくよ」
「宜しくお願いします」
耀が頭を下げたあと、お姉さんが寝室から、出て来た。
「耀ー、喉渇いた」
お姉さんは寝ぼけ眼で、まだ西沢さんに気付いてなかった。
「京子、起きたか?」
「・・・あなた・・・どうして?」
「迎えに来たよ。さぁ、帰ろうか」
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