ワインとチーズとバレエと教授【番外編】


父親が出て行って
命拾いしたかもしれない…

残る敵は、
自分を愛することのない
母親だけ…

敵が一人減り
もう一人の敵は今頃
男と遊んでいるだろう…

「今、頑張るしかない…」

理緒はお茶漬けを口に
運ぶのをいったん止めた。

この家に居続けたら
自分の人生は終わってしまう。

こんな親のために
いいのー?

理緒は冷静になる時間が
持てたことで、未来の展望を、
急いでノートに書き出した。

1、いい高校に入ること
2、いい大学に入ること
3、付き合う人間を変えること
4、母と父と間逆な生き方をすること
5、品格と教養を身につけること
6、外見を磨くこと
7、いい就職先に着くこと
8、他人に隙を見せないこと
9、それには毎日勉強すること
10、それがあいつらへの最大の復讐

理緒はそれをノートに書いた。
それを書いたのは中学3年生の時だったー

「女に勉強なんていらない」
「女に大学は必要ない」
「愛想よく、男に挨拶していればいい」

と言って、母親は理緒を
塾には行かせなかった。

小学校の時は給食費も
支払ってくれず、
学校で何度も、
恥ずかしい思いをした。

初めて生理になっても
ナプキンがなく
保健室で泣いたこともあった。

「こんな家を出るには
自分が生まれ変わらなければ…
もっと、強くなろう
もっと、勉強しよう
母が嫌がることは
私が上に、のし上がって
行くことなのだから…」

理緒は強く決心をした。

そして理緒は、中学3年生から
クラスで31人中29位だった成績は
トップ5位に入るようになった。

期末テストも中間テストも
全国模試も、ほぼトップだった。

今まで家で1時間も
勉強していなかった理緒は
父親が家を出ていき
母親が男遊びにふけっているとき
1日10時間以上勉強した。
そして、今まで落ちこぼれていた
成績を取り戻していった。

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