7月7日晴れ
今日は7月7日。
ロマンチックな伝説が今でも語り継がれる日。

「天の川、見えないなぁ」
「そりゃそうだ。都会じゃ晴れてても見えないだろ?」
「織姫と彦星、会えたかな?」
「どうだろうね」

冷静にそう言い返すあなた。
声のトーンもいつも通り。優しく、だけどいつからか私に興味あるのかないのか伝わらない機械的な声。

最初はそんな所も好きだった。
心地いいとさえ思えたほどだった。
だけど今は、たぶんもう

「ねぇ」
「何?」

怖い
次の私の言葉であなたがどんな反応をするのかが。
そしてとても怖い
いいよ、と簡単に言われてしまうのが。

「どうしたの?」

こんな時ばかり優しい声で言わないで。
出会った時のように、私の好きだった声で名前を呼ばないで。

「別れたい」

私の小さくて大きな決意は伝わったのだろうか。

「織姫と彦星はいいよね。1年に1回でも会えるんだから。だけど私は、私はもう」

3年も離れ離れだなんて

「耐えられないよ」

自分でもわかる。とても小さい声が出た。
あなたの耳に伝わってるかしら。

ぎゅっと目を瞑ると、
すると今までの事が一瞬で思い出された。

最初は1年で帰るはずだった。
待ってるね、ずっと待ってるね。
戻ってきたら結婚しようね。
そう言ってたのに。

耐えられないのは我儘だからだろうか。
弱音を吐いてしまうのは私が弱いからだからだろうか。

「ごめんなさい」

これは逃げ、なんだろうか。

「あのさ」
瞑っていた瞳をゆっくり開けると、
彼が口を開いた。


「今、目の前にいるんだけど?」
「え?」


今日は7月7日
ロマンチックな伝説が今でも語り継がれる日。
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